全長:13cm前後
生息地:ルドルーズ湖固有種
食性:雑食性
涙のような模様がちょうど、目の下にある、泣いているようにしか見えないため、種名である「ラクルイタマクルム(落涙タマクルム)」以外にも「泣きタマ」とか「ナミダタマクルム」などと様々な名で呼ばれ、親しまれている人気のあるタマクルム。
ルドルーズ砂漠の民族アレド・カゾム族には、タマクルム達は、星屑が湖に落ちてクルムに変わったものである、というタマクルム起源神話があり、その神話の中では、タマクルムは自分がいた星の記憶を、身体の模様として浮き立たせたのだとされている。そしてラクルイタマクルムは、何らかの災害で滅びてしまった故郷や仲間たちを偲んで涙しているという。
ルドルーズ神話をはじめ、他の神話でもやはり、喪われた故郷や大切な存在を失って泣いている、という物語がほとんどである。それだけ、このタマクルムの模様がはるか古代からずっと、人々に「涙」を連想させてきたのだろう。
参考文献
『タマクルム大図鑑』(リルカ・アルール)
『タマクルムの神話事典』(クルム文化博物館)
『砂海の人々とタマクルムの関係史』(ルドルーズ民族学博物館)
『星屑湖』(アルズ・レザイ)