全長:5m前後。最大級の個体だと、7mという記録もある。
生息地:ルグディール大陸全域。
食性:肉食性
ジーヴァル類ではアカオジーヴァルと並んで最大級の種。
いわゆるスカベンジャー(屍肉食生物)。屍肉しか食べないわけではなく、チャンスがあれば小動物を捕食したり、時には群れで大きめの獲物を狩ることもある。
環境に対しての適応力がかなり高く、草原、森林、砂漠、沼地など、食べるものさえ確保できる場所なら、おおむねどんな場所にでも適応する。
背中の盛り上がっている部分に、脂肪と水分、ミネラルなどを蓄えているため、かなりの長期間、食物無しでも耐え抜くことができる。ジーヴァルと言えばとにかく、「タフ」なイメージがある。映画などで、悪役のボスなどが、危機に陥ってもしぶとく追ってくる主人公に対して「このジーヴァル野郎が!」などと叫んだりするのはお馴染みのシーンである。
面白いのは、ヒト以外の生物を重視するようになったセレンディール文明以前は、むしろ逆で、主人公側が、執拗に狙ってくる悪役に対して、「ジーヴァルみたいな奴だ」とうんざりしたように言うというのが定番だったのだ。要するに、ジーヴァルは見下され、嫌悪される生物だったということである。
人間が襲われることは滅多に無いが、子供や老人などが獲物になることはある。
基本的には単独行動型の生物。集団で大きな獲物を襲うこともたびたび目撃されるが、連携などほとんどなく、個々が肉にありつこうと攻撃を仕掛けているだけ(らしい。断定はできない。実は何らかのルールがあるとする研究者もいる)。食事が終わればバラバラに散る。
巨大生物の屍肉に群がっている時などは、ミーリィが水面を激しく泡立たせ、ものの数分で獲物を骨だけにしてしまうような、阿鼻叫喚、凄惨極まりないシーンを想像する人が多いのだが、実際には、至極落ち着いたもので、意外なほどに「秩序」というものが確立している。明確な序列があるのだ。基本的には、大きい個体ほど序列が高い(これはジーヴァルに限らず、ほとんどの生物に該当するけれども)。
参考文献
『ジーヴァル全種図鑑』(ラディール生物大学ジーヴァル研究所)
『ジーヴァルみたいな奴 ─ 生物観の変遷と言葉の関係』(ディレル・アーティ)
『生物種類別ことわざ辞典「ジーヴァル」』(ディレル・アーティ)