ムラサキミーリィ

分類:ミーリィ
全長:30cm前後(尾を除くと10cmほど)。 生息地:世界中の海に分布。主にラディール近海など、水温の低い場所を好む。 食性:肉食性 ミーリィ類は最低でも数千種は存在するのだが、一般に、「ミーリィ」と言えば本種か「アオ......

全長:30cm前後(尾を除くと10cmほど)。

生息地:世界中の海に分布。主にラディール近海など、水温の低い場所を好む。

食性:肉食性


ミーリィ類は最低でも数千種は存在するのだが、一般に、「ミーリィ」と言えば本種か「アオミーリィ」を指すほどに、メジャーな種。

ミーリィは、なんだか笑っているようにも見えるユーモラスで可愛らしい外見に可愛らしい名前だが、生態は可愛らしくない。勇敢(無謀な)な探検家や漁師達も、コイツにだけは出くわしたくないと公言するくらいだ。

背びれは小さく見えるが、前部がカミソリのように鋭い刃状になっており、これで大型生物だろうがなんだろうが、上から下に弧を描くように切りつける。そして、パクッとあいた傷口に、群れで一斉に飛び込んで行く。それから、獲物の体内に生きたまま侵入していき、中から食い荒らすという恐るべき生物である。しかも背びれが鋭利な刃物になっているので・・・・・・考えたくもない。

更に恐ろしいことに、ミーリィは毒針を持っている。しかも猛毒である。細長い尾の下部にある細長い突起が、その毒針である。船上だからと油断してうかつに近づいたり触れたりして刺されようものなら、激痛に数日間、苦しむことになる上に、死ぬことすら珍しくない。即死はむしろ運が良いかもしれない。海の暴れ者レンディス類やボフリ類ですら、ミーリィにはなすすべも無く食い荒らされる。

かように実に恐るべき生物なのだが、うかつにミーリィ研究者に対してミーリィの話題を振ってしまうと、うっとりとした表情で、この生物がいかに機能美の極致のような完全捕食生物なのかを滔々と語られる羽目に陥る。

なお、無敵に見えるが、リディンにはあっさり捕食される。リディンの硬い甲殻には鋭い背びれも通用しないので、哀しいほどに無力である。そのリディンは、ミーリィに食い荒らされるレンディスやボフリなどに食べられまくるのだから、自然とはまったく、うまいことバランスが取れているものだと感嘆せざるを得ない。


参考文献

『世界ミーリィ大図鑑』(シーゼル・ユリーク)

『完全捕食者』(シーゼル・ユリーク)

『ミーリィ完全大解剖図鑑』(シーゼル・ユリーク)


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